昔の農作業風景
取水
田起こしの後で、稲を植えるために田んぼへ水を張ります。
田起こしとは、田に水を入れる前に土を掘り起こし固まっている土を砕いて田を柔らかくすること。
現在のように用水設備が整っていない時代は田んぼへ水を引くのにも大変な労力がかかりました。
代かき
代かきとは、田植え前に田んぼへ水を張り、土のかたまりを砕いて苗を植えやすくするために土壌を平らにならす作業のことです。
耕運機やトラクターが登場する前は、人力で鍬(くわ)や鋤(すき)を使って田起こしや、代かきをしましたが、写真のように牛や馬に鋤を引かせて作業したところもありました。
苗とり
田植えの下準備として、土を柔らかく水でこねた苗代(苗を育てる田んぼ)に発芽させた種籾(たねもみ)をまいて苗を育てます。
成長した苗を引き抜いて束にしました。
水位の高い田んぼでは田舟に載せて田んぼまで運びました。
稲刈り
コンバインが登場する以前は人の手で鎌(かま)を使って稲刈りをしました。
刈り取った稲は乾燥させるために束にしてハザ木のところまで運びました。
ハザ掛け
乾燥機がなかった頃は収穫したばかりの稲を掛けて乾燥させるために、まっすぐ高く伸びる木を並べて植えて交互に横に棒を渡して干し場を作りました。
これをハザ木(稲架木)と言い、そこへ稲を掛けて天日干しにする作業をハザ掛けといいます。
脱穀
ハザ木に懸けて乾燥させた稲を写真の千歯扱き(せんばこき)に通して脱穀しました。脱穀(だっこく)とは稲わらから籾をはずすことです。
千歯扱きとは、鉄や木、竹で作られたくし状の歯がならんだものの間に稲の穂を通してひっぱることで、もみなどの種(たね)をとる道具です。